エクソソームを含む細胞外小胞体(Extraceluller Vesicles,EVs)の研究は1950年代にまで遡ります。この時点では藻類や哺乳理の分泌下流の発見にとどまります。
エクソソームという言葉が使われるようになったのは1981年といわれています。この頃は細胞内や細胞膜の余分なタンパク質を捨てる『ゴミ袋』という捉え方がされていました。
しかし2000年前後になるとプロテオーム解析(タンパク質の詳細分析)の技術が発達し、エクソソームは生きた細胞が機能的に分泌している物質であることが判明しました。
そして2007年にエクソソームの研究が大きな転換点を迎えます。
スウェーデンの臨床専門医のヤン・ロトバル博士(イエーテボリ大学教授)のグループが『細胞間の情報交換はエクソソームが担当している可能性がある』との仮説を発表したのです。
ロトバル博士グループは、マウスと人のマスト細胞由来のエクソソーム中に約1300種のメッセンジャーRNA (mRNA)と121種のマイクロRNA (miRNA) が存在すると報告。重ねてエクソソームが細胞間でやり取りされる際にマイクロRNAを用いた情報伝達が行われることを突き止めます。
その結果、エクソソームは一躍注目を集める研究となり、2010年には日本の国立がん研究センターなど世界の5つのグループがエクソソーム中のマイクロRNAが実際に需要側の細胞で機能することを実験的に証明しました。
ロトバル博士の発表の影響を受けてエクソソーム研究は活性化されていきましたが、2011年国際細胞外小胞学会 (ISEV) が設立され、エクソソーム研究が一気に加速していきます。
日本でも2014年に日本細胞外小胞学会(JSEV) が設立され、エクソソームの研究が本格的に稼働しました。
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